琉球大学工学部工学科エネルギー環境工学コース

エネルギー変換工学

瀬名波出 教授

強制対流伝熱促進に関する研究に取り組んでいる。
最近は主に縦渦流れを発生するポルテックスジェネレータを円管内流路に設置した場合の伝熱促進研究を行っている。 縦渦は十分下流まで持続し、伝熱管の熱伝達向上に有効である。円管内に縦渦導入した場合、縦渦は管内をらせん軌道を描きながら下流方向へ流れていく。その際の伝熱促進効果について、速度分布、乱れ強さを測定し、その伝熱メカニズムについて調べている。
また竜巻状流れが発生した場における伝熱現象について、赤外線カメラを用いた非定常計測も行っている。

松田昇一 准教授

本研究室では、主に4つのテーマの研究を行っています。
1.衝突噴流を用いた伝熱促進の研究
 衝突噴流は、その岐点近傍で大きな熱伝達率や物質熱伝達率が得られることから、噴流は工業的に広く利用されているがその伝熱メカニズムは複雑です。我々は、種々の噴口形状や噴流群から噴出させた噴流を、伝熱面に衝突させた場合の流れが温度場におよぼす影響を詳細に調べています。
2.電磁力を用いた新しい溶接法の研究
 溶接中に溶融池に流れる電流に対して、外部磁場を付加することにより溶融金属中に反重力方向の電磁力を発生します。その電磁力により、入熱過大の溶接条件においても溶融金属の垂れ落ちが防止され、高効率で高速溶接が可能となります。我々はその複雑な溶融金属の流動が温度場や溶接結果(結晶組織等)におよぼす影響を詳細に調べています。
3.アブレーター材料の耐熱特性の研究
 地球軌道から大気圏へ帰還する再突入カプセルにおいては、突入時に空力加熱によりカプセル表面の温度が1500℃以上の高温になり通常の金属などの材料を用いることができません。そのためにアブレータなどの熱防御材料が用いられます。アブレータは表面が高温になると、熱分解、溶融、炭化等(アブレーション)により内部への熱の侵入を防ぐ役割を持ちます。我々は、アブレーター材料の中でも軽量CFRPアブレータを用いた場合の温度、密度分布および必要厚さ等を数値解析手法を用いて詳細に調べています。
4.高効率熱交換器の実証試験
 海に囲まれた沖縄において、海洋のエネルギーは使用しやすい環境にあります。我々はその中でも表層水と深層水の温度差に注目しています。沖縄県久米島では近年海洋温度差発(OTEC)の実証プラントが稼働しました。また佐賀大学らによりその温度差を利用した海水淡水化装置の実験も行われています。我々はその両者において特に重要となる熱交換器(PHE)の伝熱性能評価試験を行っています。

安田啓太 准教授

研究室のホームページ:安田研究室

クラスレートハイドレートと呼ばれる化合物を対象とした研究を行っている。ク ラスレートハイドレートは水と“ゲスト物質”と呼ばれる水以外の物質とが低温高圧の条件で反応してできる氷状の固体化合物である。ゲスト物質はメタンやエタンといった天然ガスの構成成分から窒素や酸素といった空気の主要成分まで多岐にわたる。
それぞれのゲスト物質に依存して幅広い物性を持つことからクラスレートハイド レートは種々の科学技術と関わりを持ち、天然ガスパイプラインの閉塞防止や海底に存在するメタンハイドレートの資源開発が続けられてきた。あるいは極地の氷床中や地球外の惑星など、自然界存在するハイドレートの存在も指摘されている。同時にゲスト物質を適切に選択することでクラスレートハイドレートを積極的に活用する技術も提案されていて、天然ガスの輸送・貯蔵媒体としての利用や二酸化炭素分離のための媒体としての使用などが代表的なものとしてある。
このように数多くの科学技術と関わりのあるクラスレートハイドレートを有効活用するためには物性を把握することが必要不可欠である。そのため、種々の物質をゲスト物質とするクラスレートハイドレート生成系の熱物性の測定を行ってい る。

教員

流体
システム工学

天久和正 准教授
永島浩樹 助教