琉球大学工学部工学科エネルギー環境工学コース

システム計測

倉田耕治 教授

ロボットとは何かという問いに一言で答えるなら、それは知性をもった機械である。その知能を実現する方法の一つがニューラルネットあるいはニューロと呼ばれる分野である。脳を手本とするニューラルネットの特長は、柔軟な学習、適応、自己組織能力にある。
われわれは脳の学習法則を数理モデル化することによって、脳に関する知識(生理学、医学)を応用可能な技術(工学)に転換することを目指している。
現在進めている研究では、脳の自己組織過程のモデルをロボットのナビゲーションに応用することにより、ロボット自らが部屋の中を歩き回って得た視覚情報から、その部屋の地図を自動形成するシステムを構築中である。視覚から得られる情報はロボットの位置と向きの組み合わせで決まる。そこから位置と向きの情報をうまく分離することがこの研究の眼目である。

大城尚紀 准教授

人が目を閉じては種々の動作が困難なことからもわかるように、視覚は環境情報を得るための重要な感覚器官となっている。これと同様にロボットを自律的にある環境中で行動させる場合にも、視覚情報を利用することによる有効性が期待される。
ロボットの視覚を実現するにはテレビカメラを用いて、距離情報をカメラを2台平行に並べたステレオ視により取得している。
さらに人間が目を自由に回転させて環境から選択的に情報を得るのと同じくカメラにモータを付加して能動的に視線を変更できるようにしたアクティブビジョンシステムを構築している。このシステムに関して必要となる機能・性能などに関する研究を行なっている。

宮田龍太 助教

データマイニングや機械学習といった人工知能(artificial intelligence, AI)の研究を行なっている。データマイニングとはデータに潜む未知の特徴を発見する技術であり、機械学習とはデータから学んだ既知の特徴に基づいて予測する技術である。これらのAI技術を用いて,データから知識を発見し,未来を予測する研究を行なっている。研究対象として、脳科学・気象学・生命科学・心理学・スポーツ科学・経済学の6分野を挙げている。例えば脳科学では、ラットの神経活動データから行動を予測することで、意思決定のメカニズムを解明するための取り組みを行なっている。また心理学では、スマートフォンやタブレットで動作するアプリを制作しプレイヤーの視線など生体情報を収集・解析することで、やる気スイッチを発見する試みを行なっている。これら一連の研究は“生き物の思考を理解する”という同じ目標のもと、県内を中心とした各研究機関の共同研究者と連携しながら実施されている。

教員

流体
システム工学

天久和正 准教授
永島浩樹 助教