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教員紹介
材料システム工学講座
本講座は大きく分けて、工業材料の力学特性と強度評価を教育研究する分野と材料の創生や加工技術の開発を教育研究する分野から構成されています。
材料強度学研究室
真壁 朝敏 教授
機器の破壊事故の90%以上は疲労に起因しているので、疲労破壊の問題について主に研究している。

最近のテーマは表面改質した材料の疲労強度と破壊機構に関する研究、ひずみ情報による1ミリの疲労き裂発生の検出、電子機器用材料(はんだ)の疲労特性、多軸応力下の疲労き裂発生と伝ぱ挙動、転がり疲労とせん断形疲労におけるき裂の伝ぱと損傷機構である。

新しい機器の開発により、新しい疲労や破壊の問題が生まれるので、現場においても疲労の問題を解決することは重要である。 特に、本研究室で重点を置いているものは部材の疲労寿命の評価についての研究である。

機器の寿命を向上させるためには、材料の改質も重要な問題の1つである。そのため本研究室では、窒化、ショットピーニングそして溶射等を行うことによって部材の表面改質を行い、その部材の疲労特性を明らかにし、疲労寿命の向上に着目した検討を行う。

また、それと同時に表面改質された部材から発生する疲労き裂の検出手法についても検討し、部材の疲労破壊を未然に防ぐ手法について研究を行なっている。

藤川 正毅 准教授

主に高分子材料を対象として,実験結果や理論解析に基づいたCAE解析が実用レベルで使用出来ることを目指して研究に取り組んでいます.以下に,代表的な研究題目を紹介します.

  1. 粘弾性解析のための材料定数同定法の開発

    CAEを利用した高分子材料の応力・ひずみ解析には,多くの場合で粘弾性解析が用いられます. しかし,材料試験より得られた結果から,粘弾性解析の材料定数を同定する作業は煩雑であり,実用面では大きな問題となっています. 本研究では,材料定数の同定の自動化・高精度化を目的として,新しい計算方法およびシステムの開発を行なっています.

  2. ゴムの二軸引張り試験における公称値の計算式の開発

    大変形を有するゴムの材料試験には,二軸引張り試験が主として採用されています. しかし,二軸引張り試験では,単軸引張り試験と比べて,試験片の掴み方に制約が生じるため,単純には被載荷領域を特定できない問題が生じます. 本研究では,ゴム材料の力学特性を正確に把握する事を目的として,「二軸試験における計測結果」から「公称応力・公称ひずみ」を,定量的に算出する簡易計算式の開発を検討しています.

  3. 高分子材料(ゴムやプラスチック等)の構成則の開発

    高分子材料の力学的特性の評価には、主として実験的な検証が用いられます. しかし,コストや工数の低減,実験結果の定量性や応用性を高めるために数値計算による支援が期待されています. 本研究では,汎用FEMをベースとして,「定量的な応力・ひずみ解析を目指した材料モデルの開発」および「開発した材料モデルの材料定数同定法の構築」の研究を進めています.

機械システム設計工学研究室
宮崎 達二郎 教授
金属材料が非金属介在物などの異材,ポロシティや鋳造欠陥などを含む場合,その疲労強度はばらつくことが知られている.

本研究室では,そのような材料内に確率的に存在する欠陥を統計的に取り扱うことで,疲労強度の信頼性を定量的に評価する方法の研究を行なっている. 特に最近では,複数の欠陥の干渉による応力の軽減効果に注目して研究を行なっている.

末吉 敏恭 准教授
本研究室は,二つのグループに大別して研究を進めている.

金属粉末を用いた接合とその強度評価グループでは,比較的電気抵抗の大きい金属粉末を上下被接合材料間に充填し,電気抵抗によるジュール熱の発生を利用した抵抗溶接法により行い,接合部の引張強度や組織観察を通して,最適な被接合材や金属粉末の組み合わせ,粉末量や通電時間などの最適接合条件の検討を行なっている.

もう一方のグループでは,シミュレーションによる解析を通して力と変位に関する材料特性を精度よく評価できる数理モデル(構成則)に関する研究を主に行なっている. 他に,本年度より,南西地域産業活性化センター(NIAC)から,新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)による地域コンソーシアム研究開発事業の再委託を受け,その一連として,押出し成形に関する生産性向上のためシミュレーションを通して成形条件の策定などを行なっている.

近藤 了嗣 准教授
材料は巨視的,微視的な組織の組み合わせにより構成されており,組織寸法に応じた階層性を有している. 単一素材でも各階層における力学的事象,階層間の力学的相互作用は極めて複雑な現象であるため,複合化技術の発達に伴い,全階層の力学的事象を統一的に評価するマルチスケール解析の実現が注目を集めている. ここでは,有限要素解析手法とひずみ勾配理論に基づき,金属材料のすべり変形と転移組織形成のマルチスケール解析を実現すると共に,各事象の素過程に対する理論的検討を行う.
材料加工学研究室
柴田 信一 教授
  1. 天然繊維複合材料の開発および評価

    天然繊維と生分解性樹脂による複合材料の評価・強化メカニズムの解明および実用化における問題点の解決を目的として研究を行なっている.

  2. ポリ乳酸原料ラクチドの合成と精製に関する研究

    光学異性体であるラクチドの半連続合成において,光学純度を低下させず,スズ触媒使用料を少なくする研究を行なっている.

  3. ポリ乳酸原料乳酸の精製

    ポリ乳酸原料である乳酸の精製について,電気透析,膜分離を介さない,極めて省エネルギー的な手法において,有機酸分およびプロセス数の少ない乳酸精製法の開発を行なっている.

  4. 高温耐性菌による無滅菌乳酸発酵

    高温耐性菌により乳酸の無滅菌発行における効率化研究を行なっている. スクロースを原料とし,乳酸転換率が高く,光学純度100%,発酵速度の極めて速い菌のスクリーニングを行なっている.

  5. バガス繊維プロビレン材料の開発

    繊維としては極めて安価であるものの,コンポジットとしては成形性が低い,バガス繊維を表面処理することにより,マトリックスとの界面密着性および臭気発生の抑制により高品質植物繊維複合材料としての実用化を進めている.

神田 康行 助教
射出成形や放電プラズマ焼結により作製した複合材料の機械的性質の解明について実験と数値計算の両面から研究を行なっている.
表面・界面研究室
材料の表面界面物性に関わる研究を行なっている. 表面に代表される低次元での材料物性は,バルクとは異なる物性・機能・機構を示すことが知られており,ナノテクノロジーに於ける一つの分野を形成している . 本研究室では,特に表面構造と機能性の関係及び材料表面の環境に対する電気化学現象に関心があり,実験及び理論の両面から光機能薄膜や耐腐食材料への応用を視野にいれた研究を進めている。
斉藤 正敏 教授

主なテーマは、以下の通りである。

  1. パターン形成:Ag系電析膜上に形成された渦を始めとした特異なパターンに関してチューリングパターンとの対比を試みながらくりこみ群を用いてその形成機構を明らかにする。
  2. 電荷移動反応と高速応答:msecからnsecに至るパルス電流・電圧に対する電気二重層の応答から電気化学的基本量や電荷移動反応の機構を明らかにする。
  3. 触媒電極:光触媒としてのTiO2の陽極酸化過程や水素用触媒電極Ni基金属の電析に関する研究
  4. 電析薄膜の内部応力:電析薄膜に形成される内部応力形成の解
押川 渡 教授

主なテーマは、以下の通りである。

  1. 金属腐食過程の電気化学的解明...金属の腐食は電気化学反応によって進行する。本研究では、ステンレス鋼の大気腐食機構、特に孔食の進展停止条件を電気化学的手法によって明らかにする。
  2. 腐食環境評価手法の確立...FeとAgの異種金属対からなるACMセンサを利用し、大気あるいは屋内における腐食のモニタリングを行い、腐食環境の評価手法を確立し、材料の寿命評価に適用する。
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