材料環境学
ACMセンサによる大気腐食環境評価 (押川渡 教授)
FeとAgの異種金属対からなるACMセンサは大気腐食環境評価に広く利用されている。アノードとなる基板をZnやCuに変えた場合,あるいはカソード材をCに変えた場合のセンサ出力を比較検討する。また,センサの小型化も検討する。
分割電極を用いた土壌腐食モニタリング (押川渡 教授)
土壌中に設置された鋼製支柱が地際部で腐食,破損する事故が発生している。地際部でのマクロセルが原因と考えられる。そのような土壌中の腐食をモニタリングするために,電極を多分割化し,腐食電位とガルバニック電流を測定可能となるシステムを構築した。種々の単一土壌や積層土壌での腐食,あるいは深さ方向の差による腐食状況をモニタリングする。
亜鉛めっき鋼板の端面腐食挙動 (押川渡 教授)
亜鉛めっき鋼板は,優れた耐食性を有することから建材や自動車鋼板など幅広く利用されている。その耐食性は亜鉛の犠牲防食作用と亜鉛の腐食生成物による保護作用である。しかし,切断加工面(端面)は,鋼が露出し,早期に赤さびが発生するという問題がある。端面腐食は未だ不明な点が多く残されている。亜鉛めっきの端面腐食挙動を解析するため,電気化学的手法を用いてメカニズムを解明する。
薄膜下でのステンレス鋼の腐食挙動 (押川渡 教授)
ステンレス鋼は不動態皮膜を有するため,大気環境下で優れた耐食性を有する。塩化物イオンは不動態皮膜を破壊するため,海塩が多い厳しい環境下では孔食やすきま腐食が生じることもある。大気環境では海塩が付着し,温度と湿度が変化することにより,水膜厚さは変化し,また,塩化物イオン濃度は温度が一定であれば湿度に依存する。薄膜下でのステンレス鋼の腐食挙動を恒温恒湿機内で再現し,孔食発生の臨界塩化物イオン濃度と水膜厚さを求める。さらに一旦発生した孔食の進展あるいは停止条件についても検討する。
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