琉球大学工学部工学科エネルギー環境工学コース

流体システム工学

天久和正 准教授

風力エネルギーに関する研究を行っている。風力発電については、定格出力3kW、直径4mの小形水平軸風車を開発しており、薄いブレードや小形風車専用翼型に関する研究を行っている。また、翼素運動量理論を用いて風車性能を解析し、実験結果と比較しながら、数値シミュレーションを用いて運転制御方法について研究している。風速・風向データを元に乱流強度や定常率などの風況特性を調べ、風車の発電量予測を行っている。


石川正明 准教授

  空気の流れ等は人間の目では見えませんが,例えば,煙や粒子を対象となる流れ場へ入れることで,流れを見えるようにする『流れの可視化技術』と,可視化によるディジタル画像をコンピュータで解析することで流速を求める『ディジタル解析技術』からなる計測手法を PIV (Particle Imaging Velocimetry:粒子画像流速測定法) といいます.
 このPIVの特徴は,計測システムによって流れ場を乱さないこと,多次元の瞬時流速分布が得られること,得られた速度データから他の情報(乱流統計量,渦度,圧力分布等)を抽出することができます.
 これを利用して,小気泡を含む流れ場の気泡挙動や,自然エネルギーとして利用される風車周りや,橋梁などを対象とするような流動,コロナ禍における室内換気など,流れが関わる対象の問題に対して研究を行っています. 。


永島浩樹 助教

 分子動力学法を用いたナノスケールの熱流動現象の解析を行っている。特に水素の量子効果がその熱流動特性に与える影響を、量子効果を考慮した新しい分子動力学法を用いて解析を行っている。近年水素は、クリーンエネルギとして注目されており、安全かつ効率よく利用するためにその熱流動特性を詳細に把握する必要がある。特に、ナノスケールの熱流動現象は、実験によって解明することが大変難しいため、分子動力学法による解析が望まれている。しかし、水素は、水素分子の量子効果により他の液体とは異なる特性を示すことが知られている。ここでの量子効果とは、分子量が小さいことにより水素原子核の波動関数が広がり、不確定性の影響が大きくなるという量子効果である。このため、通常の分子動力学法を用いた解析により水素の熱流動現象を把握することは難しいとされている。さらに、量子効果の数値的再現性と理論的難しさ、計算コストなどの制約から、水素分子の量子効果を考慮した熱流動解析はほとんど行われていない。
 本研究では、経路積分セントロイド分子動力学法という新しい分子動力学法を用いて、水素分子の量子効果がその熱流動特性に与える影響とそのメカニズムを調べている。私の研究によって得られる知見より、高分子膜や水素貯蔵合金中でのプロトン輸送メカニズムの解明や、カーボンナノチューブなどを用いた新しい水素貯蔵技術の確立など、さらなる安全かつ高効率の水素利用技術や新しい水素貯蔵材料の開発につながると考えられる。


教員