be動詞はイコールではない
(↓英語の専門家ではありませんので、単なる個人的見解/ヒトリゴトとしてお読み下さいm(__)m)
基礎英語で「be 動詞はイコール」と説明されることがあるが,これはなんとなくわかっても、やっぱりしっくりこない.
Yoko is a teacher.
で,「Yoko = teacher」の関係を表している,のはいいとしても,さらに
Masato is a teacher, too.
なんてきたら,もちろん「Masato = teacher」の関係でもあるわけで,だとすると等号の約束からすると,
Yoko is Masato. 「Yoko = Masato」
にもなるちゅーんかい!?
しかも,「Yoko is a teacher.」は「A teacher is Yoko.」とすることは(話としては)できないはずで,ここでも(数式的な)等号の関係にはなってない.また、「Yoko」は確かに「a teachar」かもしれないが、誰かの子供でもあるだろうし、母親でもあるだろうし、どこかの職員かもしれないし、これをなぜ単なるイコールとして説明できるとするのかが疑問だ。「ヨーコは、教師という存在(でもある)」というのが本当の意味としては妥当だろう。
be動詞は、「イコール(=)」ではなくて「右矢印(→)」って感じできちんと捉えさせて、「(主語の)存在・状態を表す」とのコアイメージを教えたほうが後々の理解も深まると思うんだけどな。他のlook, become, seemなどSVCの形式を取る動詞との整合性も取りやすいし、「~という状態」から進行形(~の動作をしている「状態」)や受動態(~の動作を受けている「状態」)の理解もしやすくなるはずなんだが(この場合のbe動詞を助動詞として扱う必要はないと思う)。
英語をわかっている側からすれば、「存在・状態」と説明しようが「イコール」と説明しようが大差ないと思うかもしれないが、きっと基本的なイメージは前者で捉えていると思うのだ(それがその語の本当の意味なんだから)。(追記:おそらく、「=」の記号を持ち出す人は、SとCを繋ぐ連結動詞 (linking verb) 的な意味で使いたいんじゃないですかね。繋ぐのはいいけど、これは「イコール」の意味ではないですよね。単に主体に説明用のタグかシールを貼り付けていってるようなもので。イコール記号の代わりに、UMLの継承表現のように「S ◎ー C」としてみるとか?)。
次の
You are beatiful.
He is in the room.
も、「あなた、という状態→、美しい」「彼、存在する(部屋内に)」でいいじゃないですか(後者は矢印ではなくSV(M)形ですが。こんなのまで「He=in the room」なんて説明しないでね…)。なんで「美しい」という概念自体と「あなた」という人間がイコールになるものか。
それから、be動詞を強引に日本語の「~は」や「~です/だ」などの助詞に対応させて説明するなんて言語道断じゃ。日本語だと「~という存在です」を「です」だけにしても通じるが、残すなら中心的な意味のほうにしてくれよ~。まして「be動詞に意味はないけど、英語は動詞が入らないといけないから仕方なく」なんて、何を言うとんのじゃ。意味がないものを入れるほどヒマじゃないつーの。
それよりは
This | is | a pen |
「これ」 | っていう存在(状態) → | 「(あるひとつの)ペン」 |
と説明したほうが、何百倍ましか。(でも、いざ中学生に教えるとすると「存在・状態」というのは、ちょっと概念的に難しいかな。)
以下、参考リンク(イコールとだけ説明しているものは山ほどあるので省きます):
- be動詞の意味 – 石田和彦の上級英語ゼミ (pdf)
- be動詞の意味を考えるとき,キーワードは「存在」
- 数学の=(イコール)と同じようなものという説明は、あまりにも乱暴
- Amazon.co.jp: 英語のおさらい (おとなの楽習): 稲葉 剛
- こちらの主張に非常に近い内容だと思います
- Amazon.co.jp: 3びきのこぶた式 世界一ラクラク英語がわかる本: 伊藤 悟
- be動詞が形を変える歴史的理由と存在を意味する点についての解説があります。残念ながらちょっと短いですが
- Amazon.co.jp: ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本: 向山 淳子, 向山 貴彦他
- be動詞をイコールとしているが、「存在」を意味すると説明されてはいる
- 中学生にbe動詞の働きを教えるときに例文を見せて「=(イコール)働きがある」と… – Yahoo!知恵袋
- ひと言で言ってしまえば「=(イコール)」ではない
- CiNii – be動詞の誤用と初学時の導入順序(言語教育編)
- 定形be動詞を日本語の「は」や「が」に相当する助詞であると誤認している可能性がある
- 英文法日記英語ブギウギ散策: 補語は限りなく形容詞的
- = とするところに大きな落とし穴がある
- 「1週間は7日です。」 – ことばを鍛え、思考を磨く
- be動詞って本当に「=」なんでしょうか?
- be動詞の正体は?
- be動詞は、一般動詞よりもむしろ助動詞に近い存在
- ビジネス英語雑記帳(別宅): BE動詞の生い立ちの秘密:最重要動詞の知られざる過去を訪ねる
- 絶滅した三つの動詞族beon(→be)、esan(→is,am)、wesan(→was,were)
- be動詞 個別指導のイマリアカデミー講師ブログ/ウェブリブログ
- イコールという数学的な解説もあまりよくないかも
- 教えて! Watch be動詞が=になるときの基本を教えてください
- この文型でのbe動詞は「(~という状態で)存在する」と言う意味だと理解して下さい
- eigodaigaku: 「私は、うなぎだ」≠「I am an eel」
- be動詞文の間違いいろいろ
- 「A is B.」が「B is A.」になるとき – ほんやく☆こんにゃく – 楽天ブログ(Blog)
- 入れ替えができる文とできない文、何が違うの??
- be動詞について(その1) by mouthbird – 日記 – smart.fm
||その2
||その3
- コメント部にいくつか議論が。be動詞の訳語(意味?)が11種類というのはさすがに多すぎでは…。
と、言っていたら、「be動詞は省略される傾向がある」との情報が。
- 一般動詞とbe動詞の違いについて – 教えて!goo
- 英語以外のヨーロッパ系の言語を知っていましたら、BE動詞はよく省略されるのですね。 – noname#5377
- BE動詞とはその状態にいると言う事を示す物 – Ganbatteruyo
でも、まぁ意味がきちんと取れるという上での省略だからなー。
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